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院長のひとり言~2019年年頭所感、現代猪考~

2019年1月6日|カテゴリー「院長のひとり言
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新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


今年2019年の干支は猪。1959年生まれの私は、今年は年男で60歳の還暦を迎え、5月には元号も改まるとのこと。今年はまさに「人生のリセット」の年になりそうな予感がします。


さて、今年の干支、猪について調べてみると、猪は昔から「金運、財運をもって幸せを成す」動物とされ、一度に沢山の子どもを産むことから安産の神様とも言われていました。また、勇気と冒険の象徴、力(気力・体力・財力)の守護神とも云われ、田の神・作物の神として祭られるなど、古くから人々に福をもたらす動物とされていたようです。


ところが、近年はイノシシが田畑を荒らし、大切に育てた作物を食べ、時には人にも危害をあたえることがニュースになるなど、人間の生活を脅かす悪しき存在となっています。イノシシが悪いのではなく、人間を含めた自然環境の大きな変化が、本来は福の神であった猪の暴走を招いていると私は思うのですが、イノシシと人間との共生への道はなかなか見つかりそうもありません。


イノシシだけでなく、最近では人間同士でも、人種や宗教、主義主張の違いだけでなく、嗜好や興味の違いだけでも争いや、差別、分断が生じ、多様性を許容できない窮屈な社会になっているように感じます。とても悲しいことです。多様性のない社会に豊かな文化は育たず、平和な未来は訪れないと私は思っています。


クリニックを開設して以来、私もそれこそ「猪突猛進」に前ばかりをみて、いろいろな役割を引き受け、一生懸命にこなしてきました。しかし、今年からは還暦を期に一度立ち止まって、視野を広げ、多様な価値観を持っておられる患者さんを本当に幸せにする医療とは何か、を自らに問いながら日々の診療を地道に続けていこうと思っています。



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