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院長のひとり言~ファイザー VS モデルナ

2022年3月19日|カテゴリー「院長のひとり言
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         ファイザー製ワクチン 
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         モデルナ社製ワクチン

新型コロナワクチン3回目接種が開始となってから3ヶ月を経過し、当院ではすでに1,000名以上の方に接種をしました。3回目接種では、ファイザー社製のワクチンとモデルナ社製ワクチンの2種類のいずれかを使用することになり、接種を希望される方はどちらにすればよいのか迷っておられる方も多いようです。


そこで、「論より証拠」。当院の職員をファイザー社製ワクチン接種とモデルナ社製接種の2グループに分けて、3回目ワクチン接種前と接種後4週間後の抗体価を比較してみました。結果は、全員が接種後には抗体価が格段に上昇しましたが、ファイザー社製が39.4倍、モデルナ社製が63.8倍と、モデルナ社製のほうが抗体価の上昇率が高くなりました。厚労省は1回目、2回目ファイザー社製、3回目モデルナ社製を接種する交差接種のほうがより効果があると広報をしましたが、当院の測定結果はそれを裏付けるものとなったのです。


参考までに、国内の医療従事者629例を対象とした、当院と同様の調査でも、3回目接種後の抗体価はファイザー社製が54.1倍、モデルナ社製67.9倍と同様の結果でした。また、年齢別に3回目接種の抗体価の推移をみると、60歳以上の高齢者では接種前の抗体価は他の年代に比べて低かったのですが、接種後の抗体価上昇率はより高く、ファイザー社製107.3倍、モデルナ社製133倍でした。この結果から、高齢者ほど3回目接種を受けるべきであり、できればモデルナ社製を使用するほうがより有効性が高いと言えます。なお、3回目接種後の副反応については、私が患者さんに接種後に聞き取りをした限りでは、ワクチンの違いより、個人差の方が大きく一概には言えないようです。


いずれにしても、今後、必ず訪れる新たな変異株の流行に備えるためにもできるだけ早く3回目の接種をすることを強くお勧めします。

 

 

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