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院長のひとり言~運動と認知症予防~

2019年7月13日|カテゴリー「院長のひとり言
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今年のウインブルドンテニス選手権も、いよいよ佳境にはいり、713日、男子は準決勝が行われました。私は、ロジャー・フェデラー(37)とラファエル・ナダル(33歳)の試合をテレビ観戦しました。両者とも30歳を過ぎてなお世界トップレベルの力を維持し続けており、二人の対戦がこの大舞台で実現したことが、まず賞賛に値します。試合内容も素晴らしく、お互いの長所を生かしたラリーの応酬を私は堪能しました。


「コート上のチェス」と呼ばれるテニスの一流選手は、何時間も運動しながら、頭の中では、相手の分析をし最善の戦術を懸命に考えていることでしょう。こういう人たちはテニスをし続けていれば年をとっても、認知症にはなりにくいのではと神経内科が専門の私はつい思ってしまいました。


テニスを楽しんでいるひとは本当に認知症になりにくいのでしょうか。


アメリカの研究チームは、高齢者が日常行なっている活動と、認知症になりやすさの関係を調べる研究を、実に21年にもおよぶ長期にわたって行いました。その結果、運動のかなでは、ダンスが最も予防効果が高く、認知症の発症リスクが約4分の1になることがわかりました。残念ながらテニスは発症リスクに変化はなく、自転車は逆に発症リスクを上げるという以外な結果でした。


認知症の予防には人とのコミュニケーションが効果的ともいわれ、人との関わりが多い運動には予防効果があるのかもしれません。年をとってから脳の健康のために運動をするのであれば、あまり勝負にこだわらず、仲間との会話も楽しみながら、無理なく続けていくのがよいと思われます。

 

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